疑問
公共工事の価格は積算して決めている!?
積算ってどうやってるの?
結論
公共工事は積算ソフトを使って工事費を算出しています。
単価や条件など毎年改正されています。
積算とは?
積算とは、お金を積み上げて、必要なお金を算出することです。
ただ、単価を積み上げればよいわけではなく、各種経費や施行条件を考慮して計算する必要があります。
積算ソフトとは?
積算ソフトは、各工法や各種経費、施行条件があらかじめ登録されています。
工事に必要な工法と数量、条件を選択することで経費を自動計算して、工事金額を算出してくれます。
代表的なものは、ESTIMAがあります。

どうやってを積算行うのか?
積算で使う数量や工種は、設計コンサルタントへ業務委託した成果品に基づいて、積算を行います。
業務委託の成果品には、図面や数量表が入っており、基本的にそれを積算ソフトに打ち込んでいく作業になります。
また、積算にあたっては、積算基準(標準歩掛)や数値基準、公共単価などに基づき行っていきます。
積算基準について
積算は、一定の基準に基づいて積み上げを行うこととなっており、積算基準が定められています。
積算ソフトも、積算基準が改正となる度に更新がされます。
各都道府県で基準をそれぞれ決めていますが、国の積算基準に準拠して決められているのが普通です。
積算基準は、昔は標準歩掛と呼ばれていましたが、平成27年ごろから施工パッケージと呼ばれ方が変わりました。
施工パッケージは、全国的に標準的な工事方法を基に金額を決定しています。
国土交通省は、施工合理化調査を行っており、現場が損をしないように毎年改正を続けています。
数値基準について
積算で使用する数量は、数値基準に基づいて数値を丸めます。
数値基準については、国土交通省に数値基準を基に各都道府県で決められています。
https://www.cgr.mlit.go.jp/techserv/documents/03/r03_sanshutsu.pdf
公共単価について
積算で使用する単価は、公共単価が使われています。
公共単価は、都道府県ごとに違いますが、国が労務費調査により全国的な基準を決めており、毎年改正されています。
https://www.mlit.go.jp/common/001387434.pdf
参考として佐賀県の公共事業単価のリンクを張っておきます。
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00325979/3_25979_220062_up_c5h2lks1.pdf
積算時に注意すべき点
・不足している工種はないか?
・工種ごとの積算条件は正しいか?
・直接入力する単価に間違いはないか?
・数値基準とあっているか?
・図面から拾った数量に誤りがないか?
公務員が積算し、図面とともにまとめたものを【設計書】と呼びます。
【設計書】を基に、公共工事を受注したい業者が積算を行いますので、間違いがないようにする気を付ける必要があります。
ただし、人間ですのでミスは誰にでもあります。積算が間違っていても、過度に落ち込む必要はありません。
組織として、チェックをして、それでもミスがあれば、次に失敗をしないように頑張りましょう。
まとめ
公共工事の工事金額は、積算により決められます。
積算は、積算ソフトと各種基準に基づいて行います。
積算はいろいろな基準を確認する必要があり、小一時間でパッとできるものではありませんし、慣れが必要です。
土木系公務員にみなさんは、基準をしっかり確認し、ひとつひとつ積み上げていきましょう。
積算が間違っていると、入札時に業者さんへ迷惑をかけたり、会計検査時に指摘され国庫返納をする羽目になったり、大変ですので慎重に行いましょう。
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